胃の解剖学
胃の解剖学

 

目次

基礎データ

胃の位置

胃間膜

胃粘膜

胃液

胃の生理学

神経支配

固定と付着の要素

 

 

基本データ

 

容量:1~1.5ℓ

区分:噴門・・・入口

   胃底・・・胃の天井

   胃体・・・中央部

   幽門・・・出口

湾曲:大湾

   小弯

   角切痕

 

 

胃の位置

 

・噴門正面

左第7肋骨肋軟骨連結部

 

・噴門後面

T11の左肋椎関節

 

・小弯

噴門の下部

左第7肋骨肋軟骨連結部と同じ高さ

T10~L1

L1まで脊柱と平行

 

・幽門

立位:L3付近

臥位:L1~L2

 

噴門と幽門は比較的固定されており、胃体部は内容物によって大きく変わる

 

 

 

胃間膜

 

胃の外表面の腹膜

 

・小網

後面と前面の腹膜が小弯側で合わさり小網となる

肝臓に達する

 

・大網

前掛けのように腹部内臓の前面に垂れ下がり、折れかえって上昇する

横行結腸に付着し、横行結腸間膜に癒合しながら後腹壁に終わる

 

 

胃の粘膜

 

胃の粘膜内面には多数の粘膜ヒダが存在

粘膜ヒダは縦に走り、互いに連絡し複雑に錯綜する

 

胃小窩

粘膜表面にある無数のくぼみ

胃腺の出口

 

胃腺

胃底腺

長い管状の腺

塩酸、ペプシン、ムチン(粘液)を分泌する細胞からできている

壁細胞:塩酸

副細胞:ムチン(粘液)

主細胞:ペプシン

 

幽門腺

管状の短い線

ガストリンというホルモンを出す細胞が存在

ガストリンは胃液の分泌を促進する

G細胞:ガストリン

 

・胃の運動

胃の筋層は平滑筋

輪走筋、縦走筋、斜走筋の3層構造

幽門部では輪走筋が発達し幽門括約筋となる

内容物の輸送の速さは種類によって分かれるが、3~6時間で通過する

 

 

胃液

 

・粘液

上皮細胞、副細胞、噴門腺、幽門腺から出る

 

・重炭酸イオン

上皮細胞から出る

胃壁を塩酸から中和し守る

 

ペプシノゲン

主細胞から分泌

塩酸によってペプシンになりタンパク質を分解

 

・塩酸

壁細胞から分泌

 

・胃液の分泌の調節

脳相

・・・嗅覚、味覚、脳内のブドウ糖の欠乏により迷走神経経由で刺激される

胃相

・・・胃の拡張、アミノ酸、カルシウムイオンにより分泌量が増える

腸相

・・・内容物を腸相におくると腸相が刺激される

 

 

胃の生理学

 

・噴門部、幽門部の役割

噴門部:食べ物を貯蔵する

幽門部:食べ物を攪拌し、均質化し、乳化する

 

・役割

固形物をすりつぶす

脂肪を乳化する

タンパク質を前消化する

胃液を分泌する

 

 

神経支配

 

・交感神経系

T6~T9から出て大内臓神経と小内臓神経を経由する交感神経

腹腔神経節と上腸間動脈神経節

 

・副交感神経系

迷走神経

 

 

固定・付着の要素

 

・内臓器の圧

 

・胃横隔間膜

胃底部を横隔膜に固定

 

・小網

胃と肝臓を連絡する

小湾全体に走行

胎生学的な前胃間膜の名残

 

・大網

胎生学的な構胃間膜の名残

 

・胃結腸間膜

・胃脾間膜

胃と脾臓の連絡し、胃結腸間膜に合流し大網の固定部分を形成

 

・左横隔結腸ヒダ