浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)

 

 

体幹から始まる上肢の筋膜ライン

 

筋筋膜の経路

スーパーフィシャルフロントアームライン
スーパーフィシャルフロントアームライン

Human Anatomy Atlas 2020 - Visible Body

 

SFALの構成

 

・鎖骨の内側3分の1 

・肋軟骨

・胸腰筋膜

・大胸筋

・広背筋

・上腕骨内側縁

・内側筋間中隔

・上腕内側上顆

・手根屈筋群

・指の掌側面

 

筋の走行

体幹・上肢

スーパーフィシャルフロントアームライン
スーパーフィシャルフロントアームライン

 

大胸筋

内側筋間中隔

前腕屈筋群

 

肩の浅層にあり、大胸筋から始まる。

 

大胸筋の捻じれた線維は、上腕の屈筋、伸筋の間にある内側の筋間中隔を下行し、内側上顆まで走行している。

 

 


体幹・上肢

 

広背筋

内側筋間中隔

前腕屈筋群

 

大胸筋と広背筋及び大円筋は停止ている上腕骨付近で結合した線維となり、上腕の内側筋間中隔に結合する。


上肢

 

前腕屈筋群

手掌面の筋群

 

内側上顆から起始した前腕の屈筋群は、そのまま手指まで走行を伸ばし

 

浅層の屈筋群は手指中央で、深層の屈筋群は手指先端まで下行していく。

 


特徴

 

⒈上肢の位置の制御

 

⒉体幹の姿勢制御

 

⒊下肢ー体幹の力を手部まで伝える

 

 

1.上肢の位置の制御

 

FLの連結のよって下肢ー体幹ー上肢の機能的な連結があり、空間での上肢操作の安定につながっている。

 

⇒関連ページ

ファンクショナルライン(FL)

 

 

2.体幹の姿勢制御

 

短縮しやすい傾向を持つライン。

 

SFLの腹筋からの影響により大胸筋をかいして巻肩傾向に陥る可能性がある。

 

この姿勢で肩関節の運動を行えば代償作用が働き肩関節にかなりストレスがかかる。

 

大胸筋によって広背筋も伸長ストレスがかかり、また深層の前鋸筋にまで影響を及ぼすため、肩甲骨の動きの制限も出てしまう。

 

このようにアームラインも姿勢制御に関与する。

 

⇒関連ページ

スーパーフィシャルフロントライン(SFL)

 

 

3.下肢ー体幹の力を手部まで伝える

 

広背筋・大胸筋から始まるラインなので、SPL・SFLの影響を強く受ける。

 

下肢から起こる力をラインを経由して、手部まで伝えることができるのは広背筋や、大胸筋が効率的に機能していることが必要。

 

前腕屈筋群の強さが、体幹部分の強さと関連が深い。

 


治療において

 

体幹及び下肢から腕・指に力を伝えるラインであることから、

 

大胸筋や広背筋などの体幹部分の筋の強さは前腕屈筋群の筋の強さに影響する。

 

 指を曲げる動作は物をつかむ動作に大きな影響を与えている。

 

前腕や手指の問題が肩甲帯や体幹からの問題である可能性、

 

また、その逆も考慮し診察を進める。

 

 

 

アナトミートレインのライン一覧

 

浅前線:スーパーフィシャルフロントライン(SFL)

体の前面にあるライン

 

浅後線:スーパーフィシャルバックライン(SBL)

体の後面にあるライン

 

外側線:ラテラルライン(LTL)

身体の両側に広がる2本のライン

 ディープラテラルライン

 

ラセン線:スパイラルライン(SL)

身体に巻き付くライン

 

機能線:ファンクショナルライン(FL)

3種類ある大きい筋のライン

 

浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)

上肢前面の浅い筋膜ライン

 

深前腕線:ディープフロントアームライン(DFAL)

上肢前面の深いライン

 

浅後腕線:スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)

上肢後面の浅い筋膜ライン

 

深後腕線:ディープバックアームライン(DBAL)

上肢後面の深いライン

 

深前線:ディープフロントライン(DFL)

身体の中心ライン

 

最初の4本のラインすなわち、SFL・SBL・左右のLTLは左右前後4つの基本面に沿ってまっすぐに上下に走るラインなのでカーディナルラインと呼ばれる。