⇐　深後腕線（ＤＢＡＬ）　ＴＯＰ 

深前線：ディープフロントライン（ＤＦＬ）

筋膜の経路

筋の走行

上部

中部

下部

 特徴

体幹を通るラインに囲まれる

ＳＦＬ・ＳＢＬ・ＬＴＬ・ＳＰＬ・ＦＬの囲まれる

すべてのラインの中で高密度な筋膜で遅発性および持続型の筋線維である。

線ではなく3次元構造をつくり身体筋膜構造の中心コアを形成している。

筋肉は大きな収縮は行わないが、身体内部の固定や姿勢維持が主な役割となる。

横隔膜ー腰方形筋ー腸腰筋の連動によって呼吸のリズムを歩くリズムにつなげる。

自立神経節とのつながりがあり交感神経ー副交感神経のバランスとのつながりがある。

姿勢機能

・内側縦アーチを引き上げる

　後脛骨筋

・下肢の各区分を安定させる

　内転筋群ー膝窩筋ー後脛骨筋・長趾屈筋

・腰椎を前方から支える

　腸腰筋

・胸部を安定させ呼吸リズムを整える

　椎前筋群・斜角筋群・胸膜・横隔膜

・脆弱な頸部とその上の頭部を支える

　舌骨上筋・舌骨下筋・椎前筋群・斜角筋群

ＤＢＬは４種類に分かれる

１．最後部

２．前後部

３．中部

４．前部

１．最後部ライン

２．前後部ライン

後部ラインの特徴

姿勢制御

SBLとSFLの中心を貫くことで前後のバランスの不良を整える

SFLの胸鎖乳突筋、SBLの後頭下筋・脊柱起立筋は上位頚椎の過伸展に関与

その拮抗筋はDFLの頸長筋・頭長筋のみである

頚椎疾患におけるアライメント破綻はDFLの評価をする

下肢アライメントの評価

DFLが短縮・LＴLが過伸展過緊張

⇒足部回外、内返し及び膝関節内反：Ｏ脚

DFLが伸展・LＴLが短縮

⇒足部回内かつ外返し及び膝関節外反：Ｘ脚

動診：歩行分析

視診：腰椎アライメント

下肢の連結

後脛骨筋・長趾屈筋・長拇指屈筋ー膝窩筋ー内転筋群

筋間中隔を境に大内転筋を通って後ろに行くライン：最後部ライン

筋間中隔を境に長内転筋を通って前に行くライン：前後部ライン

筋間中隔は筋膜（結合組織）によって隔てられており癒着しやすいポイント

複数の筋の分離した動きが困難になる

筋出力・可動域制限の低下にもつながる 

最後部ライン：骨盤底への連結

大内転筋ー内閉鎖筋ー骨盤底の連結

坐骨結節を介して内閉鎖筋とつながり骨盤底筋群（肛門挙筋）へと連結

骨盤底筋群は高齢者の尿漏れ、失禁、若年層での生理痛に関与

ウーマンズヘルスケアでの骨盤底筋群

股関節の機能不全が骨盤底筋群の機能不全に深く関与

前後部ライン：体幹の連結

長内転筋・短内転筋・恥骨筋ー腸腰筋ー腰方形筋

身体の中心に大腰筋の存在があるためこの連結は最重要ポイント

大腰筋は体幹・股関節の安定性、筋出力の発揮、円滑な可動性のために必要不可欠

人が動く際に体幹・股関節がしっかりとした安定性を持っているからこそ

上肢・下肢の動きが伴ってくるのでここの機能なしに抹消の能力は開発できない

首・肩・腰・股関節・膝・足部のあらゆる障害に関わってくる

大腰筋の評価①動診：歩行分析

大腰筋の評価②視診：腰椎アライメント

大腰筋の治療：大腰筋の筋膜リリース

関連ページ

下腿部の筋肉

股関節と骨盤の筋肉

３．中部ライン

４．前部ライン

前部・中部ラインの特徴

中部ライン：横隔膜から後方に続くライン

前部ライン：横隔膜から前方に進むライン

中部ライン上部の体幹部

横隔膜ー胸膜・心膜・縦隔ー斜角筋ー咽頭収縮筋ー舌

肺炎などの呼吸器障害が少なからず横隔膜の機能の低下を招いている

舌の動きが悪くなる可能性：誤嚥性肺炎のリスク

脳卒中などで嚥下障害を持つ方は舌から横隔膜や大腰筋に影響が生じ呼吸機能低下や体幹部のコントロール機能が低下する

DFALとのつながりもある

前部ライン上部と体幹部

横隔膜の前方ー胸横筋ー舌骨下筋群ー内側翼突筋・咬筋・側頭筋

顎の動きや咀嚼との関連

顎関節症や嚥下機能への患者にアプローチできるポイント

内臓との関連

内臓は左右非対称に配置であり、重心の位置や姿勢アライメント、動作のパフォーマンスに影響が出る

内臓の機能不全が起こると筋膜を伝って筋・筋膜に影響が出たり、逆もあり得る

頭蓋とのつながり

DFLの上端では頭蓋骨の一部である蝶形骨とのつながりがある

蝶形骨と後頭骨で蝶形後頭結合を形成 

頭蓋仙骨リズムと深く関わる

脊柱の可動性にも関わり歩行や各種動作にも深い関連がある

重要な連結部

⒈体幹部

横隔膜ー大腰筋ー腰方形筋

体幹部の中心をを構成する要素

呼吸と歩行において強い関連がある 呼吸器障害と跛行がある場合は評価

大腰筋の評価①動診：歩行分析

大腰筋の評価②視診：腰椎アライメント

大腰筋の治療：大腰筋の筋膜リリース

⒉心膜・胸膜・心膜

腹膜の歪みが横隔膜の機能不全につながる

横隔膜の機能不全が腹膜を介して大腸や小腸の機能不全

胸膜を介して肺の機能不全をもたらすことが考えられる

内科系の疾患や合併症や既往がある方はDFL上に問題があるかもしれない

関連ページ

股関節と骨盤の筋肉

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アナトミートレインのライン一覧

・浅前線：スーパーフィシャルフロントライン（ＳＦＬ）

体の前面にあるライン

・浅後線：スーパーフィシャルバックライン（ＳＢＬ）

体の後面にあるライン

・外側線：ラテラルライン（ＬＴＬ）

身体の両側に広がる２本のライン

　ディープラテラルライン

・ラセン線：スパイラルライン（ＳＬ）

身体に巻き付くライン

・機能線：ファンクショナルライン（ＦＬ）

３種類ある大きい筋のライン

・浅前腕線：スーパーフィシャルフロントアームライン（ＳＦＡＬ）

上肢前面の浅い筋膜ライン

・深前腕線：ディープフロントアームライン（ＤＦＡＬ）

上肢前面の深いライン

・浅後腕線：スーパーフィシャルバックアームライン（ＳＢＡＬ）

上肢後面の浅い筋膜ライン

・深後腕線：ディープバックアームライン（ＤＢＡＬ）

上肢後面の深いライン

・深前線：ディープフロントライン（ＤＦＬ）

身体の中心ライン

最初の４本のラインすなわち、ＳＦＬ・ＳＢＬ・左右のＬＴＬは左右前後４つの基本面に沿ってまっすぐに上下に走るラインなのでカーディナルラインと呼ばれる。