機能線:ファンクショナルライン(FL)

 

下肢・体幹・上肢の機能的連結を司る筋膜ライン。

 

筋筋膜の経路

アナトミートレイン ファンクショナルライン
アナトミートレイン ファンクショナルライン

FLの構成

 

フロントファンクショナルライン

・上腕骨体

・大胸筋下部

・第5・6肋軟骨

・腹直筋

・恥骨結節、恥骨結合

・長内転筋

 

バックファンクショナルライン

・上腕骨体

・広背筋

・胸腰筋膜

・仙骨

・大殿筋

・大腿骨体

・外側広筋

・膝蓋骨

・膝蓋下腱

・脛骨粗面

 

同側ファンクショナルライン

・上腕骨

・広背筋

・下部肋骨

・外腹斜筋

・上前腸骨棘

・縫工筋、鵞足部

・脛骨内側上顆

 


筋の走行

フロントファンクショナル

フロントファンクショナルライン
フロントファンクショナルライン

 

大胸筋

腹直筋

錐体筋

長内転筋

短内転筋

 

 

上腕骨上部の大胸筋遠位停止部から始まり、第5・6肋骨上の大胸筋起始部まで大胸筋下部線維に沿って走行している。

 

胸筋線維は腹筋群の筋膜線維と連続体を形成し、恥骨付近まで走行を伸ばす。

 

恥骨・恥骨結合に達した筋膜は線維軟骨を通って長内転筋兼腱に沿って下降し、大腿骨後面で粗線に達する。

 


バックファンクショナル

バックファンクショナルライン
バックファンクショナルライン

 

広背筋

大殿筋

外側広筋

 

広背筋の遠位付着部から走行を開始。

 

広背筋の中心部より低い位置で腰仙筋膜に接続。

 

仙骨筋膜を通って反対側の大殿筋へと下降していく。

 

大殿筋の下部線維の走行を追っていくと、外側広筋と付着のある部分が見つかる。

 

そのまま外側広筋は膝蓋腱に停止して、走行を終える。

 

 


同側ファンクショナル

同側のファンクショナルライン
同側のファンクショナルライン

 

広背筋

外腹斜筋

縫工筋

 

広背筋の最外側線維は腹斜筋との強い連結を持つ。

 

外腹斜筋の線維は、上前腸骨棘を越えて縫工筋へと下降していく。

 

縫工筋は、鵞足へ到達する。

 


特徴

 

⒈上肢を機能的に動かす

 

⒉機能しあう三つのライン

 

⒊同側ラインの存在

 

1.上肢を機能的に動かす

 

アームラインとの機能的連結がある。

 
螺旋状に走行があるためSPLに対して四肢の補助的な役割を担い、回旋運動をALへと伝える。
上肢からの運動を体幹を通して下肢へ、逆に下肢からの運動を体幹を通して上肢へと伝える、螺旋パターンとして機能ができるため、相互作用によりパワーを強化する。
つまり、大きな力を発揮できるよう体全体を繋ぎ合わせており、全身を使ったダイナミックな動きを出しパワーや正確性を増加させるライン。
力の広がりの中心的役割を担う。

 

関連ページ

スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)

スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)

 

2.機能し合う三つのライン

 

・外腹斜筋を介してLTLとの機能的連結。

 

・外腹斜筋を介して対側の内腹斜筋へ の連結でSPLと機能的に交わる。

 

・骨盤帯を基点として、三つのFLが機能的に連結している。

 

腹数のライン接続が全身への連続的な力の発揮を可能としている。

 

3.同側のライン

 

縫工筋を介して

 

広背筋ー外腹斜筋ー縫工筋といった

 

同側への機能的な広がりがある。

 

治療において

 

大きな動きや筋力を発揮する場面で使用されるライン。

このことから、損傷が重度になりやすい。

 

投動作・走動作・跳躍動作などのスポーツ活動や、土木・運送などの重労働な仕事における筋力の発揮から、このラインに加わる負担を考察し、見ていくことが必要。

 

またこのラインを中心として上肢、下肢に症状の広がりがあることに注意する。

 

骨盤のコアとなる大殿筋の硬さを取る。

 

>>大殿筋の機能解剖

 

 

>>大殿筋の治療:筋膜リリース

アナトミートレインのライン一覧

 

浅前線:スーパーフィシャルフロントライン(SFL)

体の前面にあるライン

 

浅後線:スーパーフィシャルバックライン(SBL)

体の後面にあるライン

 

外側線:ラテラルライン(LTL)

身体の両側に広がる2本のライン

 ディープラテラルライン

 

ラセン線:スパイラルライン(SL)

身体に巻き付くライン

 

機能線:ファンクショナルライン(FL)

3種類ある大きい筋のライン

 

浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)

上肢前面の浅い筋膜ライン

 

深前腕線:ディープフロントアームライン(DFAL)

上肢前面の深いライン

 

浅後腕線:スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)

上肢後面の浅い筋膜ライン

 

深後腕線:ディープバックアームライン(DBAL)

上肢後面の深いライン

 

深前線:ディープフロントライン(DFL)

身体の中心ライン

 

最初の4本のラインすなわち、SFL・SBL・左右のLTLは左右前後4つの基本面に沿ってまっすぐに上下に走るラインなのでカーディナルラインと呼ばれる。