運動器疾患の主要問題点は運動連鎖の要素をもとに、
どの要素に問題があるかを考えること。
どの問題点が疾患に一番かかわってくるか判断すること。
・痛みの主要問題点と運動器疾患における筋骨格系について
・筋の過緊張と筋力低下
痛みの主要問題は患部にあるとは限らず、その人の運動様式によってさまざまな部位に散らばっている。
患部の発痛原因は、発痛物質や炎症症状によるものだとしても、
なぜ発痛物質があるのか、炎症症状が起こる状態になってしまったのかを推察していくことが重要。
患部が痛みを発する状況になってしまった原因、
それを作る大本が主要問題点であるならば、
主要問題点はさまざまな部位へ問題を波及させているはずである。
患部は結果であり、主要問題点は過程の出発点。
主要問題点はドミノ倒しの様に隣接部位や、離れた部位に問題を波及させ、
どこかが耐え切れなくなったときに
痛みとして現れている。
主要問題点をシンプルに、痛みのメジャー部位と表現する。
運動器疾患のメジャー部位になることが多いのは、
筋及び骨格系
である。
肩・腰・膝など多くの関節痛は、まず初めに筋の状態を見るのが自然であり、
患者もよく理解してもらえる。
筋、骨格系の治療がメインのセラピストも多いし、リハビリ職では主に筋への治療がメインとなる。
筋・骨格は、運動連鎖における要素としては身体の構造になる。
筋・骨格系が痛みのメジャー部位になる場合、体の使われ方をよく観察する。
その患者特有の使われ方を見つけ出すことは、
使われすぎている筋と使われなさすぎる筋の存在を発見すること。
言い換えると、
・使われすぎている筋=筋の過緊張
・使われなさすぎている筋=筋力低下
を起こしている可能性が高い。
そして、筋の過緊張と筋力低下は表裏一体で存在している。
筋の過緊張と筋力低下は
各関節の静的アライメントおよび、
動的アライメントの変化を引き起こすものである。
静的アライメント、動的アライメントは運動連鎖の結果として現れているもの。
筋の過緊張と筋力低下を起こしている部位を、
様々な評価で選定しそれに見合う適切に治療を行うことで、
運動器疾患の痛みをとることの第一ステップである。
筋の過緊張には多くの問題が隠れている。
1番考えるべきポイントは、トリガーポイントの存在である。
2番目に考えるべきポイントは、筋膜の滑走性の低下である。
筋の過緊張の治療
筋力低下による問題点は
筋の過緊張を生んでしまうことである。
いくら過緊張を筋膜リリースで緩めたところで、
筋力低下の筋が隠れてると、
同じような代償動作を行うので、また筋の過緊張を生んでしまう。
これでは痛みにおける根本的な解決とは言えない。
筋の過緊張が痛みを極端に減らせても、筋力低下が根底にある場合
痛みの戻りは避けられない。
筋の過緊張を見つけたらその裏側には、筋力低下があることを忘れてはいけない。