肝臓

肝臓 解剖生理学
肝臓 解剖生理学

 

目次

・基本データ

・組織構造

・機能血管の流れ

・肝臓の役割

・肝臓の固定に関与するもの

・神経支配

・肝臓の運動

 

 

基本データ

 

人体最大の線器官

重さ:約1200g

形状:不規則な三角形

位置:腹腔上部、右側

   横隔膜の下

区分:左葉、右葉

   尾状葉

   方形葉

 

 

組織構造

 

・肝小葉

肝臓の実質は、グリソン鞘という疎性結合組織によって直径1mmの六角形をした肝小葉に分けられる。

肝細胞は、肝小葉の中心を走る中心静脈に向かって放射状に並んでいる。(肝細胞索)

 

・ディッセ腔

肝細胞索の間を走る血管(洞様毛細血管)の壁には、大食細胞が存在する。

これをクッパー星細胞と呼ぶ。

肝細胞索と同様毛細血管の壁には穴がたくさん開いていて、この穴をディッセ腔と呼ぶ。

このディッセ腔はビタミンA貯蔵細胞が存在している。

 

 

機能血管の流れ

 

肝門から入った固有肝動脈と門脈は枝分かれして、グリソン鞘の中で、小葉肝動脈・小葉肝静脈となる。

それぞれの血液は、ともに洞様毛細血管に入り、肝小葉の中心静脈に注がれる。

中心静脈は肝臓の中で肝静脈に集まり、下大静脈に注がれる。

 

 

肝臓の役割

 

・脂質の生成

 トリグリセリドの生産

・グリコーゲンの合成と分解

・グルコースの新生

 乳酸塩からやアミノ酸からグルコースを作る

・タンパク質の形成

 アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲン、プロトロンビン、ビタミンK依存性凝固因子等の生成

・ タンパク質の分解

 エストロゲンの分解

・尿素の生成

 アンモニアはタンパク質の分解時に生成されてしまう。

・胆汁の生産と排出

 コレステロールの合成と調整

 

 

肝臓のを腹腔内に固定させるもの

 

・腹腔の内圧

・ツルゴール

・肝冠状間膜

・左右の三角間膜

・肝鎌状間膜

・小網:肝十二指腸間膜と肝胃間膜

・肝腎ヒダ

・下大静脈

 

 

神経支配

 

・交感神経

T7~T10から出て、大内臓神経と小内臓神経を経由する

腹腔神経叢で切り替わる

 

・副交感神経

迷走神経

肝被膜は横隔神経(C3・4・5)を介して支配をうける

 

 

肝臓の運動

 

・前頭面

吸気時に横隔膜が肝臓の外側部を下方内側に導く。

正面からみると、肝臓が反時計回りに回転

 

・矢状平面

頭方の部位が前方に傾く

尾方は後方に移動する

 

・横断平面

下大静脈の軸に沿って、左に回転する。