目次
大腰筋と脊柱起立筋を治療する意義
大腰筋が姿勢維持にどのような影響を与えるか
脊柱起立筋と大腰筋の関係性
大腰筋と脊柱起立筋の関係性から見る腰痛治療
二つの筋を鑑別する方法
腰痛といえばこの二つの筋を治療対象に思い浮かべる
多くの患者が原因筋になってくるがどのような患者が治療対象となるのか考察したい
大腰筋の作用は前部線維と後部線維で違いがある
整理すると
前部線維:大腿骨挙上=股関節の屈曲
腰部脊柱の屈曲
後部線維:腰部脊柱の伸展
このことから股関節屈曲のみならず腰部の脊柱の姿勢維持に関与することが示される
大腰筋:基礎データ
種々の研究から大腰筋と脊柱起立筋の筋活動の関係において以下のようなことがある
大腰筋の筋活動が高い腰痛患者:脊柱起立筋の筋活動が低い
大腰筋の筋活動が低い腰痛患者:脊柱起立筋の筋活動が高い
大腰筋と脊柱起立筋がうまく連動した運動がとられない場合どちらか一方に頼らざる状況になっていることが考えられる
また大腰筋の筋活動が低く、脊柱起立筋の筋活動が低い場合はさらにほかの筋で代償が起こる可能性もある
筋活動が高いということはその筋及び周辺の結合組織が損傷、滑走不全の存在や、トリガーポイントの出現が起こる可能性が高い
患者によって、大腰筋と脊柱起立筋の筋活動の差があり、それによって治療方針が変わってくることが示唆される
一つずつ筋を触り治療し、改善を見れた方がいいが、効率の問題や患者の負担を考えると難しい場合もある
簡単な鑑別方法は、大腰筋及び脊柱起立筋に押圧刺激を加えつつ、痛みの出る動作を行ってもらい、痛みの改善・可動域の改善があるかを指標にする
痛み・可動域の改善がより見られた方を治療対象にしていく