(ⅰ)深部の筋:一つの分節に付着しているのが特徴。
・横突間筋
横突起から横突起に付着している。
側屈の作用と反対側への側屈を制限する。
・棘間筋
棘突起から棘突起に付着している。
伸展に作用し、屈曲を制限。
・短回旋筋
棘突起から一つ下の横突起(左右)の横突起に付着する。
回旋に作用して、調節している。
・長回旋筋
棘突起から二つ下の横突起に付着している。
短回旋筋よりも、作用する力は大きい。
これらの筋は神経的に、表層の筋のトーンや使用パターンを決定する。
この4つをまとめて、横突棘筋と呼ぶ。
長・短回旋筋は、肋骨挙筋に補助され作用します。
基本的に深層の筋と表層の筋は走行が一緒だが、付着する分節が違う。
深層は分節が短く、表層は長い。
(ⅱ)回旋筋の走行パターンを持つ筋群
・肋骨挙筋
横突起から下の肋骨の近位部に付着する。
脊椎と肋骨を回旋するときに二つの回旋筋の補助をする。
別名をつけるならば、肋骨回旋筋。
長肋骨挙筋:2分節
短肋骨挙筋:1分節
・多裂筋
棘突起から横突起に付着する。
3から4分節をまたいで付着する。
仙骨の分節に向かって走り、横突棘筋群を骨盤に結び付ける。
・半棘筋
棘突起から横突起に付着する筋。
5から6分節またいで走行するため、長い筋。
・棘筋
棘突起から棘突起へと付着し、長い分節を超えて付着する。
棘突起を互いに引き寄せる作用がある。
T8の外側から、上下に6センチほどが触れやすい部位。
・最長筋
もっとも活動する筋で膨隆も大きい。
起立筋の最大膨隆部を触れればそれは、最長筋を触知できている。
硬結ができると、脊椎自体の動きが硬くなる。
・腸肋筋
もっとも外側に位置する筋。
後腸骨稜から横突起と肋骨角に走行している。
横突間筋と走行パターンは同じ。
肋骨と肋骨も結んでいる。
脊椎の伸展と側屈に作用している。
肋骨角の内側に小さな腱状に触れられる。
腰椎で最長筋と結合している。
これらの筋群は胸腰筋膜によって包まれている。
筋緊張を均等に下部の椎骨や腹部に伝える。
肋骨から反対側の骨盤に筋の緊張を伝えている。
この斜めの荷重伝達は垂直に走る。
また抗重力筋なので、遅筋線維の構成が大きい。