臨床家がその特定分野において十分に吟味された巧みな行動をとるように促す事。
つまり、セラピストが臨床活動を行う上で患者個々について十分に把握し、
判断したうえで行動できるように促してくれる思考・意思決定の過程であり、
患者との関係のみならず臨床場面でのセラピストが行動を起こすすべての場面での思考過程である。
・臨床実戦で基盤となる考え方
クリ二カルリーズニングは、何の疑問もなく受け入れられている理論や手技を適応する際の危険を軽減し、
臨床所見と医学的知識それぞれから出てくる判断や治療における誤りを是正する。
健全なクリ二カルリーズニングの無い臨床実戦は単なる技術的作業になってしまう。
診断的推論だけでは解決しない場合が多く、物語的推論を取り入れて患者の人物像をとらえていくことが重要。
セラピストだけでなく患者もまた、自分の状態・問題・予後を考えており、
患者や患者の家族・介護者などの協同的的推論をして行く必要がある。
・クリ二カルリーズニングの種類
(ⅰ)ショートリーズニング
徒手療法を使用する場面での疼痛の原因組織を探していく過程や特定の手技を選択する思考過程。
(ⅱ)ナラティブリーズニング 物語的推論
患者の「信念・価値・準拠枠」について理解していく過程
(ⅲ)ダイアノシスリーズニング
現存する症状、症状の原因、関連因子について理解していく過程
セラピストが問題を好転させていくために、また好転したものをさらに広げていくためにどういった推論形式を選択して
問題を解決し、治療関係を終息するためにどういったことを考え考慮するか常に念頭に置く。