ここからの痛みについてはメカニズムの解説ではなく患者が持つ痛みをセラピストがどうとらえて理解していくか
言及していく。
・メカニカルペインの特徴~症状の再現について~
患者が痛みの姿勢や運動を見せられる状態を機能的実証と言い、目の前で痛みの出現・憎悪・軽減を患者が見せることができる。
起き上がる時に痛いという患者の主訴があった場合、セラピストが痛みの出る起き上がり方を指示し実際にやってもらう。
起き上がり動作で痛みが再現できなかった場合どうやったら普段感じているような痛みをここで見せることができますかと尋ねる。
いくつかのパターンをやってもらい痛みの再現を試みる。実際に痛みが出ないこともある。
この場合、メカニカルペインの症状の再現についての条件を満たす事ができないため適切な刺激を探す段階に移れない。
よって別の推論過程(特に評価項目の設定)が必要になってくる。
・メカニカルペインの特徴~症状の安定について~
治療刺激を加えて起きた変化は自然治癒の可能性も否定はできない。
よってセラピストが用いた物理刺激と症状の改善は因果関係が完全には証明できない。
発症から長い期間を経ている患者は症状の程度や出現の頻度が一定ではないため
良い変化を読み取りずらい。
昨日の朝は痛かったが夜には治って、今はすこし痛みがある。
などの症状の不安定さは条件を満たさないため、これもまた別の推論に移行する。
・条件設定の理由
症状のベースラインを把握するということになる。
何もしなければきっと明日の1週間後も今のような経過をたどるだろうと予測したうえでその予測とのずれを把握する。
条件が満たされる中で起きた変化はセラピストが用いた物理刺激によるもので実際に見せてもらった変化を確認したから
この変化はセラピストが用いた物理刺激の影響だと判断できる。
ここで確認することができた適切な刺激は一時的であったとしても症状に変化を起こす事が出来る適切な刺激と
判断することができる。
一時的な変化であるならば、ここから患者自身にできるセルフケア指導にも入れる。