適切な刺激量を探す


・患者の変化

 セラピストが行っている手技や治療はその変化のメカニズムを仮定したものが生理的な変化であろうと

 解剖学的・生理学的・神経反射を利用した変化であろうと結局のところは

 物理刺激を用いて変化を起こそうとしてる。

 

 メカニズムの過程は今最もつじつまが合うであろう説明をしているだけで本当のところはよくわかっていない。

 しかし目の前で起きている症状の変化も事実の一つ。

 セラピストが物理的刺激を用いて患者の変化を確認し症状の良い変化を起こせれば

 これがその患者にとっての適切な刺激量ということになる。

 ここではそういう観点から話を進めていくことになるのでエビデンスやメカニズムについては

 他のところで説明する。

 

・メカニカルペイン

 セラピストが用いた物理的刺激に反応したかしていないかを最も確認しやすいのが機械的疼痛=メカニカルペインとなる。

 メカニカルペインとは特定の姿勢や運動で疼痛を再現できる痛みである。

 炎症性の疼痛や心因性の疼痛はメカニカルペインとはならない。(非機械的疼痛)

 

 適切な刺激を探していく上で患者の症状が機械的疼痛なのか非機械的疼痛なのかの判断をする。

 

 メカニカルペインの特徴

  1.その症状の誘発、軽減をセラピストに患者自身が見せることができる。(症状の再現)

  2.症状の出現からしばらくの期間がたっており比較的落ち着いている。 (症状の安定)

 

適切な刺激を見つけやすい患者の条件

 メカニカルペインの特徴を患者が有していれば、適切な刺激を見つけやすい条件となるので

 問診でこの条件を確認し、適切な刺激を見つけやすいか、見つけにくいか判断する。

 ここを曖昧にしてしまうとその後の推論の過程で正確さが失われることが多い。

 

 条件を満たす患者であればその後の評価の内容は適切な刺激を探す作業になり

 条件を満たさない場合は、適切な刺激を探すのが現段階で難しくなるので、別の推論を行う。